言葉はいつも思いに足りない（鴻上尚史）

ISBN:4594045375 単行本 鴻上 尚史 扶桑社 2004/03/19 ￥1，200
週刊SPA！で連載中の「ドン・キホーテのピアス」というエッセイをまとめた本の9冊目。週刊誌連載だけど意外と時事ネタは少ないので、このシリーズはいつ読み返しても結構新鮮だったりするのがいいんだよな。ちなみに雑誌の方は全然読まないもんで、このエッセイが本になるのをひたすら待つワタシ。
ま、それはともかく、この本もあいかわらず真面目なことからくだらないことまでいろいろ載ってます。私自身が興味深かったのは「他者と他人」と「名付けられない時間」の話かな。
「他者と他人」の話はもともとはネット心中についてだったんだけど、あたしゃこのところちょいと人間関係で悩んでたことがあって、他者と他人の定義を読んでいてなんとなく糸口がつかめたような気がしました。それにしてもこの話の中の文にもちょこっとあったけど、ネット心中した人達ってそれぞれどうして死を決意したか語りあったりしたんでしょうかねぇ？
「名付けられない時間」は、ひらたく言えば何をしてもいい時間ですね。もちろんボーっとしているのも可。あたしゃそんな時間を結構確保できてると思っているので、何とかやっていけてるのでしょう。
まぁ、おもしろいけどいろいろ考えさせられるのが、このエッセイのいいところだと思います。というわけで、結構おすすめの一冊です。